2006年3月17日 (金)

動物病院の選び方

 ペットを飼っていらっしゃる方は、「どこの動物病院がいいのかなー」とお考えになることがあろうかと思います。

 どうしても動物病院という特性上、新聞折込みたいなものがしょっちゅう入るわけでもなく、広告内容もかなり制限をされているために(「獣医師法」だったかな?)診療科目、医療施設の詳細、診療費などがはっきりしない点があります。制限をしているのにはそれ相応の理由があるので仕方が無いのですが、では「いかにして自分にあった病院を選ぶか」は結局のところ自分で判断せざるを得ないわけです。

 一般のペットオーナーさんからの観点とは異なるかもしれませんが、一獣医師から見た動物病院選びのポイントをちょこっと書きます。

・診療方針の開示と選択をきちんと示していること(インフォームド・コンセントが実践されていること)

 病気になった動物に対して、いくつかの治療法を提示し、納得をしていただいた上で治療を行うことはひじょうに重要です。中には「難しいことわかんないから、先生好きにやってよ」って方もいらっしゃいます。ただ、より重病で治療に対しても難しい選択を迫られたり、あるいは医療費がかさむものもあります。それらについて、主治医から説明をきちんとしてくれるかどうか…けっこう重要なのでは、と思います。

・質問に対してきちんと説明をしてくれること

 どんな些細なことでもよいと思うのですが、ペットオーナーさんからすれば「心配だから病院に足を運ぶ」行為をされるわけです。それでもって抱えていた疑問がひとつでも解決できたら、それはその方にとって大変意義のあることです。

・診療費について明朗であること

 聞きづらいことだけど、お金の問題はやはり大切ですよね。現に動物医療は決して安いとはいえません。ある程度、「この治療にはこれだけの費用がかかりそうです」というような説明があるだけでも安心ですよね。

・獣医師(担当医)がよく勉強をしていること

 医療は日進月歩で進化します。勉強の歩みをやめれば、医療サービスもどんどんオ遅れをとることになります。知識や経験をフルに生かして皆様に最良の医療を提供できる努力を獣医師はしなければいけないと考えます。

・動物病院スタッフ、院内の印象がよいこと

 雰囲気ってすごく大事だと思います。せっかくよい医療が提供できてもスタッフの態度とか院内の雰囲気が悪いとマイナスの印象をうけかねません。これもひとつの医療サービスです。

 ざっとあげてみましたが、まだいろいろあるのかもしれません。診療費の値段の問題とか、診療時間とかあるでしょうね。これらも重要な要素です。

 皆様ご自身で、信頼の置ける病院をお選びいただいて、飼い主さんとペットにとっての幸福な生活が送りましょう。病院側もよりよい医療と安心のサービス提供ができるように努力をしております。病院によって個性はいろいろあります。まずは気になる動物病院のチェックから始めてみてはいかがでしょうか。

 うちの病院もかんばらねば。

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2006年2月10日 (金)

ダニ

なんか最近皮膚をものすごーくかゆがっているってことはありませんか?

皮膚をかゆがるのにもいろいろな原因があるので、それをきちんと評価することが大事です。

原因としては、

・細菌(バクテリア)

・真菌(カビ)

・寄生虫

・アレルギー(食物とか接触とかいろいろ)

・ホルモンバランスの異常

・免疫異常

・心理的な問題

のようなものがあげられます。これをはっきりさせておかないと症状を悪化させることもあります。

Photo_3

寄生虫に関係する皮膚病でも非常に厄介なものに「犬毛包虫症」があります。左の写真中央にいる長細い青虫みたいなやつがそれです。別名「アカラス」とか「ニキビダニ」とかともいいます。

毛穴の奥深くに潜んでいて、皮膚の免疫機能が低下すると、一気にその数を増やしかゆみを伴います。そこに、傷などを作って最近が増殖しますとさらにかゆさが増強し、症状を悪化させます。

免疫機能の未発達な1歳未満のわんこ、逆に高齢のわんこ、あるいは免疫抑制剤なんかを使った治療を受けている場合などでよく見られます。若い犬の場合は徐々に免疫力をつけていくので治癒も可能ですが、高齢の場合や免疫治療を行っている場合にはなかなか根治が難しく、この病気と付き合っていかなくてはならないケースが多いです。

このダニ、肉眼では見えないくらいの大きさなので、動物病院での検査が必要です。かゆみにもいろんな原因があるからこそ、普段の様子を常にチェックしておいていかれるとよいですね。

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2006年2月 1日 (水)

パルボウイルス感染症の脅威

 みなさんのわんこさんは、ワクチンきちんとやってますか??特に子犬の場合は免疫が不十分であることから、ワクチンを接種していても本来予防されるはずの感染症にかかってしまう場合がときとしてあります。

 わんちゃんは生後3ヵ月までの間に免疫の機能が大きくかわります。
 生まれてからまず、母犬から「初乳」を飲むことにより母犬が持ち合わせている病気に対する免疫「抗体」をもらいます。これを「移行抗体」といいます。しばらくは十分に移行抗体が存在しますが、それが約3ヵ月の間に徐々に減少し、そのかわりに自分でさまざまな抗体を作り上げなくてはいけません。自分で抗体を作るためにワクチンを接種させて、恐い感染症に対する免疫をつくるのです。
 ただし、1回のワクチン接種によって期待できるだけの予防効果が期待できるのかというと実はそうではなく、複数回(病院や接種した日数なんかによって回数は異なりますが)接種が必要になるケースが多いです。
 さらに話が複雑になりますが、一番はじめから持っていた「移行抗体」が、期待されるワクチンの効果に影響を及ぼすことがあるため、これも十分な効果が期待できなくなるおそれを兼ね備えています。
 
 そのため、特に若齢のわんこではいろんな感染症にかかりやすいだけでなく、ワクチンに対する効果を過信することもいけないため、ものすごく注意が必要になるわけです。

 ということで、昨日パルボウイルス感染症にかかったわんこ(生後80日)が入院しました。ワクチンはショップで2種混合ワクチンを約1ヵ月前に接種してありました。
 この感染症の特徴的な症状である食欲の低下、激しい下痢や吐き気を伴い衰弱し、死亡率も高いものです。腸の粘膜でウイルスが悪さをするので、強い腸炎を起こします。また心臓に影響を及ぼす場合もあります。ウイルス自体に非常に強い感染力があるため、院内感染を防ぐため病院内での徹底的な消毒が行われ、感染症のわんこは隔離されます。

 一度発症してしまうと、とにかく体力の消耗と激しい症状を起こすため、完全に回復するまでは気を抜くことはできません。いまのところ、わんこさんは強い下痢はあるもののぐったりすることなくがんばっています。一日も早い回復ができるようこちらもがんばります。

補足:ワクチン接種により十分な免疫効果があげられているかは「抗体価」を測定することで評価できます。かかりつけの動物病院にお問い合わせいただくとよいでしょう。

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